ゲイの人権保護団体は多数あるけど、これらが束になっても、アメリカという大国のトップとトップ3の地位にある政治家が、ゲイの人権を世界レベルで保護し向上するために努力すると発表するっていう影響力に勝ることはないと思う。
オバマ大統領の声明の一部:
「レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、そしてトランスジェンダーの人々に対する差別を終わらせるための苦闘は、世界的な課題であり、人権を促進させることに対するアメリカのコミットメントにとって中核的なことである」。
"The struggle to end discrimination against lesbian, gay, bisexual, and transgender persons is a global challenge, and one that is central to the United States' commitment to promoting human rights."
クリントン国務長官は、スイスのジュネーブにある国連で30分以上におよぶスピーチをした。ゆっくり、でも明瞭な英語で一言一言に力を込めて語る姿は感動的。その内容も、正面からLGBTの問題をとらえている。
特に印象に残った言葉は、
「人々が、性的指向や、男女がどのように立ち居振る舞うべきかについての社会的規範に従わないという理由で、暴力を受けたり殺害されるというのは、人権の侵害である。
"It is a violation of human rights when people are beaten or killed because of their sexual orientation, or because they do not conform to cultural norms about how men and women should look or behave.
ゲイであることは、西欧の発明ではない。ゲイであることは人間にとって(普遍的な)現実である」。
Being gay is not a Western invention. It is a human reality."
これがクリントン国務長官による国連でのスピーチ動画。
特に、アフリカや中東でLGBTに対する差別や人権侵害行為が横行してることに対するアメリカの対策として、今回、オバマ大統領とクリントン国務長官が声明を発表してるみたいだね。アフリカでは、こんなにLGBTというだけで死刑や投獄を合法化してる国があるんだね・・・。こんな国には行きたくねーな。LGBTの人権を国が認めてるのは南アだけか・・・。
とはいえ、アメリカでも州によっては同性結婚を違法化した州もあるし、全米レベルで同性結婚を違憲にしようとうる動きもあるからね。海外での人権向上運動も大切だけど、国内でもしっかりやって欲しいな。ただ、来年の大統領選挙を前にして、アメリカ中の有権者が注目してる中、世界の差別されているLGBTの人権のために尽力すると発表したことは偉い。だって、LGBTを快く思っていない保守派層がわんさかいるわけだからね。
そういう保守派の声に屈しないゾという現政権の意気込みを感じるんだけど、実は一つ、残念なニュースが・・・。同性結婚は連邦法や移民法では認められてないから、外国人のパートナーをアメリカに連れてくることができないんだけど、現状を苦慮したオバマ政権が、米国内の州レベルで同性結婚している外国人パートナーを国外退去処分にする優先度は下げましょう、っていう御触れを出してた。それについての詳細は、ここ↓で紹介してました。
米国内のゲイの不法滞在者に適用される新しい国外退去ルール
続報:米国内のゲイの不法滞在者に適用される新しい国外退去ルール
だけど、オバマ政権は、国外退去処分にする外国人の優先順位づけルールの文言に、「同性パートナーの優先度は下げる」という言葉を入れないことにしたんだと!腰抜けじゃない?だからルールの適用は、移民審査官の個人に任されることになるらしくって、最悪の場合、同性結婚をマサチューセッツ州やニューヨーク州で行ってても、滞在ビザがなければ国外退去になる可能性が残ってしまってるんだそう。
これについても早くオバマ政権はどうにかせにゃーあかんでー。
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