ジェームスの親戚、JCが同僚のレイチェルを連れてやってきたー。
JCとはこれまでに何度か食事に行ったり、バーベキュー・パーティーに誘われたりとつるんできた仲。レイチェルとも食事会やパーティーで既に何度も会ってる。スケボー好きのnew ageな女の子。だけどJCが、同僚のレイチェルだけを同伴してやってくるっつーのは初めて。なにかピーンとくるものが。二人がやってくる前に、ジェームスには、
「あの二人、付き合ってるんじゃない?」と言ってみた僕。ジェームスも、「そうかもね」と他人事。同僚と、一線を越えるっていうのはかなり決断がいると思うんですけど?だって別れることになったら、職場にも影響が出るじゃない?あまりスマートな判断とは思えないけど、若い二人、まー、燃え上がったら止められないか。
日本に留学したことがあるJCは、日本食が大好き。僕らとつるむときは必ず日本食。たまに近所の日本食レストラン(B級グルメ)でばったり鉢合わせしたこともあったくらい。彼の親友Joeは、JCの影響からか(?)日本人の彼女を作ったり・・・(もう別れてしまったらしいけど)。なので、今回も、JCのリクエストで日本料理が食べたいというリクエストがジェームス経由で回ってきた。。。なんでも、お寿司を食べたことがないレイチェルに、初めて生魚&寿司を体験させたいのだとか。
僕がお勧めしたのは、最近、近所で新たに開拓した日本の居酒屋。創作料理がメインで、モダンな日本居酒屋料理っていう感じ。ジェームスも気に入ってたお店なんだけど、ジェームス曰く、
「今回はJCの誕生会を兼ねてるから、多分、僕がおごることになるんだよね。4人分を全部僕が払うとなると、あそこのお店はちょっと高すぎ」と躊躇。
「じゃー、安上がりにしたいんだったら、B級グルメのOXはどう?あそこなら超安いからいいんじゃない?」と、かなり投げやりな僕。
「えー、あのお店?あそこで何を食べるっていうの?お寿司すら置いてないお店じゃない」とジェームス。
うっざい~。良いお店になると自然と高くなるのは当然。するとジェームス、
「スーパーでお刺身を買ってきて、家で寿司パーティーすればいいんじゃない?」との案。
誰が寿司飯やら海苔やら具材やらを準備するわけ?ろくに料理もできないアメリカ人のくせにぃ~!passive aggressiveな言葉で、どうやら僕にディナーを作って欲しいとお願いしている模様。ぶーぶー。僕はあんたの主婦でもマミーでもありませんぜー。
「ちょっとー、ジェームスの親族の誕生祝いなんだから、おもてなしするのはあんたでしょ?なんで僕が手料理しないといけないわけ?」と不満をぶつけてみる僕。
「おすし屋さんって行くと高いじゃない。みんなの支払いをするとなると痛いんだよ。具材は僕が全部払うからさ。ね、お願い!」と頼み込み作戦に出るジェームス。
「めんどっちーなー」ブツブツ、、、と愚図る僕。時間が有り余ってるだけに、忙しいとも言えないし。しょうがなく引き受けることに。
で、結局、僕が準備したのは手巻き寿司。さすがに、握りずしを家庭で作ろうなんていう、無謀な真似はしませんぜ。日本人は家でも握りずしを作って食ってるって、アメリカ人の大多数は思ってるよね?!そもそも、その間違いを正してやりたい!家庭で食べるお寿司は、巻き寿司、稲荷寿司、散らし寿司、そして手巻き寿司って、相場は決まってるんだよ~。そういやー、「土曜日は手巻きの日」ってコマーシャルがあったよね。古い?!
マグロ、サーモン、イクラ、イカ、ウニ、ハマチなんかのお刺身を買ってきて、きゅうり、カイワレ大根なんかと盛り付け。ちゃんと大根のかつら剥きまでして、大葉をしいて本格的居酒屋風。JCは日本に行ったことがある分、ちょっと手抜きするとすぐ見抜かれてしまう・・・。ウザイ。期待されると力が入る僕。。。大根で細工まで作って、それを土台にしてワサビを乗っけたり。ゲイだけに芸が細かい~、と我ながらやりすぎやねん、の声。
大根のかつら剥きなんて、もう何年ぶり?左手の親指がつりそうになってしまったよ。準備するのに一番手間隙かかったのって、かつら剥きだったかも・・・。いまどき、グリグリまわしてかつら剥きできる機械が売ってるんだよねぇ。でもそんな10年に1回しか使わないようなものは家にはありましぇん。
そのほかにも、卵焼き、アサリのワイン蒸しなんかも作って、大好評。デザートも、インスタントのゼラチン・パウダーを買ってきて、ゴマプリンを作っておもてなし。ノンケ、ストレートのJCのハートをつかんじゃったかも?
日本酒も飲み、ワインも4人で3本空けて、ディナー・パーティーは午前3時まで続いたのでした・・・。夕食作り始めてからパーティーが終わるまで、9時間。無事にマラソンを完走した気分~。誰も食中毒にならなかったし、事なきを得て良かった。
これでジェームスにはかなりの貸しを作ったよな。今度、高いワインバーに連れて行けとお願いしたところ。もうこの先10年は、かつら剥きはしない!