2014年1月1日水曜日

年末年始新作映画9作品レビュー:「セッションズ」「鑑定士と顔のない依頼人」等々 9 New Movies Reviews - The Sessions, The Best Offer, Hobbit, etc.

 新年最初の投稿は、年末年始にかけて見た映画の紹介。また俳優の流出写真や動画を発見したのだけど、年初めだしね。ちょっと自粛、、、。そっちのネタはまた近々ご紹介するのでお楽しみに〜★

◎  鑑定士と顔のない依頼人(原作: The Best Offer)★★☆(5つ星中。☆は半分)


作家の沢木耕太郎が、朝日新聞でこの映画を大絶賛して2回も見たってあったので観てみたら残念な内容だった。僕にとっては計画倒れの作品。イタリア人の作品ってことで、あー納得って。いかにもヨーロッパの頭でっかちな哲学に傾倒してるインテリ層が好みそうな内容。英語で一言で言うと、pretentiousな映画だね。

以下、ネタバレになるのでご注意。

主人公は、その鑑定眼から名を馳せている美術鑑定士。しかし、女性関係がなく、自宅の秘密部屋に人生をかけて収集した、名作といわれる女性の肖像画を飾り、「彼女たち」に囲まれることが至福のとき。

それがある日、若い女性から美術品の鑑定を依頼されることで歯車が狂い始める。対人恐怖症という彼女は、電話や壁越しでしか話をしない。興味を引かれた鑑定士は、こっそり彼女を覗き見る。そしてその美しさに心を奪われてしまう、、、。

美術品の真贋を見極めることができる鑑定士は、愛の真贋をも見抜くことができるか?っていうのがテーマ。 そのテーマ自体は面白いけど、映画の設定にムリがあるわー。

ただ、主人公を演じるジェフリー・ラッシュが名優なのは確実。細かいストーリーのつじつまとか、現実的かどうかを無視して、大陸ヨーロッパの耽美で哲学的な世界に浸りたい人にはオススメ。

そうそう、脇役のロバートを演じるJim Sturgess(下の写真に右)がイケメン〜。若い頃のポール・マッカートニーに似てる。



◎ セービング・ミスター・バンクス(原題:Saving Mr. Banks)★★★★★



 ディズニー映画の名作、「メリーポピンズ」の制作の裏側を描いた映画。トム・ハンクスがディズニー役を演じ、メリーポピンズの作者パメラ・L・トラヴァースをエマ・トンプソンが演じてる。そして、トラバースの父親役を、コリン・ファレルが熱演。

もうコリン・ファレルって言ったら、あの流出動画が脳裏に焼き付いて離れない〜。 けど、この映画はとても感動する作品です、はい。
本作は、『メリー・ポピンズ』の原作者パメラ・L・トラヴァースが、ディズニーが同作を映画化することを認めるまでの物語。父の思い出と深く結び付いている作品を守ろうとするパメラとウォルト・ディズニーの攻防を、幼い日のパメラと父のシーンを重ねて映し出す。 (引用元


メリーポピンズに登場する厳しい父親、Mr. Banksって覚えてる?僕も子供の頃、メリーポピンズの映画を見たことあるけど、あんまり印象にない。実は、原作者の父親がモデルになってるんだって。

それをコリン・ファレルが演じるんだけど、原作者のパメラがまだ少女だったころ、空想的だった彼女への理解を示し、とてもいい父親だった。その一方で、アル中で職を何度も失い、妻への苦労をかけっぱなしのダメオヤジの一面も持っていた。そんな父親への愛情を込めて、小説、メリーポピンズでは父親像を元にMr. Banksというキャラクターを描いている。

そしてディズニーが、メリーポピンズの小説を映画化するとき、パメラは、トラウマになっている父親との記憶に苛まれ、またMr. Banksを意地悪な人として描こうとする制作チームと対立する。映画は、そんなパメラとディズニー制作チームとの葛藤、そしてトラウマの克服を描いている。僕も思わず涙した感動作品。


 ◎フローズン(原題:Frozen)★☆

これまたディズニー映画。アメリカ国内で見た人の評判が高かったので、童心に返って見に行った。そしたら、内容がミュージカルで驚いた。感情が高ぶったシーンで、みんな歌いだすのね。いやー、まいった。歌いだすたびに、こっちは「しら〜」って寒い空気が流れるのよ。なんか、インド映画を見てる気分やったわー。ディズニーって、次の市場でインドを狙ってるのかね?

ストーリーは、何でも凍らせてしまう異常な能力を持って生まれた姉と、普通に生まれ育った妹の話。幼少期、二人で遊んでいたとき、間違って妹の頭に冷気をぶつけてしまった姉。 それ以来、姉は自分の能力をコントロールできるまで隔離されて生活。一方、妹はそんな事件の記憶を消され無垢に成長。

そして二人が成人し、姉が女王となる戴冠式の日、その事件は起きる。その日出会ったばかりの外国の王子と結婚すると言い始めた妹は、姉を怒らせてしまい、感情をコントロールできなくなった姉は、凍らせる能力もコントロールできなくなる。騒然とする会場で、姉は「魔女」とレッテルを張られ、追いつめられた彼女は雪深い冬山に氷の城を建てて身を隠す。

妹は、そんな姉を助けるため、一人、冬山へ向かうも、馬に逃げられ立ち往生する。そこへトナカイを連れたクリストフと出会い、彼の助けを借りることになる。

クリストフが、アニメながらイケメンだった。北欧のイケメンね。

内容が薄いし、悪役も弱い。結局、安っぽい家族愛の話。よっぽどミュージカル好きで、アニメ好きの人でなければ、パスすべし。


◎ セッションズ(原題:The Sessions)★★★★☆


 マーク・オブライエンの実話に基づいた小説が元になった映画。僕の日記ブログでもご紹介したけど、オスカー候補との呼び声も高い名作。幼少期、ポリオにかかって、首の下から全て麻痺してしまった青年マーク。その彼が、30歳を過ぎても童貞で、しかも自慰行為すら一度もしたことがない。そこで、セックス・セラピスト(ヘレン・ハント)の助けを借りることになる。

合計6回のセッションを行い、その中で徐々に「大人」へと成長していくマーク。だけど、これらセッションは医療行為であり、あくまで治療・カウンセリングの一環。頭ではわかっていても、セラピストへの恋心を抱いてしまうマーク。詩人でもあるマークは、そんな初めて抱く感情を、詩にしたためて彼女へと渡す。その純粋な気持ちに触れて、揺れ動くセラピスト。

映画の中で一番印象に残った会話がこちら:

「人はお互いに好きになって、離れられないくらい好きになった後、どうするの?」

「人は(愛を綴った)詩を書くわ。そしてセックスをするの」

「それからどうするの?」

「詩を書いてセックスをした後?何にもしないか、何かがおきるか、、、。後は二人の交渉次第よ」

「どういう意味?」

「そのまま何もしないで愛とか離れられない気持ちをそっとしておくか、もしくは事態を複雑な状況にすることもできるわ。ほとんどの人たちがそうするようにね」
◎ ドン・ジョン(原題:Don Jon)★★★☆


先月ここで紹介してた映画。俳優ジョセフ・ゴードン=レビットが初監督に挑戦した映画で、日本でも来年3月15日に公開される。

ポノレノにはまって、実際の女性ではイケなくなってしまった主人公が、理想の女性(スカーレット・ヨハンソン)、そして大学で同級生の中年女性(ジュリアン・ムーア)という二人の女性に出会い、真実の愛に目覚めるって話。

見た目が超タイプで、両親も気に入るほどの箱入り娘(スカーレット・ヨハンソン)だけど、彼女も、自分が付き合う男に対して理想を持っていて、「男は掃除なんてするもんじゃない」とか、「ポノレノを見るなんて負け犬男のすることよ」と、手厳しい。

美男美女にも、彼らなりの悩みがあるのかぁって思った映画。 ラブコメなので笑えるところもたくさんある。

先月の投稿でも詳しく書いたけど、日本語に翻訳されると、面白い(シモネタの)セリフがばっさりカットされてたりするのでそこが残念。

ジョセフとスカーレットが演じる二人は、チャキチャキのニュージャージー州出身で訛ってるんだけど、その辺の微妙なアメリカ国内の地域文化事情も、日本語訳するのは不可能なんだよね。

特にジョセフの一家は、いかにもイタリア系移民っていう家庭を大げさに描いてて、家族の食卓で父親とジョセフがタンクトップ着てるところとか。アメリカ人のジョークで、「イタリア系移民が結婚式に行くとき、良い(タンクトップ)シャツを着る」っていうのがあるんだよ。正装がタンクトップシャツ、つまり、どんな状況でもタンクトップ(=労働者の象徴)を着てるっていう、、、。かなり差別的なんだけどね。その辺がオモロいんだけど。

なので、日本語訳で見る人は面白さが40%減っていうのを心して見るように。


 予告編

◎それでも夜は明ける(原題:12 Years a Slave)★★


これもアカデミー賞の呼び声が高い作品。黒人ソロモン・ノースアップ(Solomon Northup)が12年間の壮絶な奴隷生活をつづった伝記を元にした映画。ニューヨークで家族も持ち、自由人だったバイオリニスト、ソロモンが、白人の知人に騙されて南部の農園に奴隷として売られてしまう。とにかく悲しいお話で、アメリカの黒人の奴隷史とかに興味関心がないと、単なる歴史ドラマにしか映らない。退屈だけど、歴史的には重要な作品なんだろうね。

◎ホビット:竜に奪われた王国(原題:The Hobbit: The Desolation of Smaug)★★☆

 言わずと知れた「指輪物語(The Lord of the Rings)」につながる一昔(600年?)前を描いた作品。ゴラムがまだ普通のホビット(小人)で、指輪を見つけた当時のお話。

これが、600年たつと

こうなる。

ま、ジェットコースター映画ね。特に感動とかはしないけど、原作を読んでる人は、文章がどう映像化されてるかっていうので楽しめるとは思う。

◎ キャプテン・フィリップス(原題:Captain Phillips)★★★

 日本でも昨年11月に公開されてる映画。これも実話に基づいてる。
2009年のソマリア海域人質事件をテーマに、海賊に拉致されたコンテナ船船長をトム・ハンクスが演じたドラマ。船員の救出と引き換えに4日間にわたって海賊の人質となった船長の運命と、海軍特殊部隊ネイビーシールズによる救出作戦を、緊張感あふれる演出で活写する。
確かにトム・ハンクスは名優で、彼の演技が光る作品だけど、所詮、タンカーが海賊に襲われて、人質になって、救助される、っていうお話。まー救助されるところがクライマックスだけど、現実に基づいたストーリーなわけで、結末がわかってるドラマほど退屈なものはない。

◎ ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)★★


 船外活動中に事故に遭って、そこからいかに助かるかっていう宇宙飛行士の話。3Dで映像の迫力がすごいけど、スンマセン、途中で寝たわ。全部見ると面白いのかも。一緒に見に行った友達二人も、「?」って感じだったけど。


 これから観たい映画

◎ アメリカン・ハッスル(原題:American Hustle)日本でも1月31日から公開予定。


日本語字幕付き予告

◎ ウルフ・オブ・ウォールストリート(原題:The Wolf of Wall Street)


◎ Nebraska



◎ マイティ・ソー/ダーク・ワールド(原題:Thor The Dark World)

◎  ブルージャスミン(原題:Blue Jasmine)

英語版予告編

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