ウィキペディアによると、
『アイズ・オブ・マーチ』(The Ides of March) は、2011年のアメリカ合衆国の政治ドラマ映画。2004年の民主党大統領予備選挙に立候補したハワード・ディーンの選挙スタッフだったボー・ウィリモンが同選挙に着想を得て書いた戯曲『Farragut North』を原作とし、ジョージ・クルーニーが共同脚本・監督・主演を務めた。
だそう。ジョージ・クルーニーは主演じゃなく、脇役だけど。
粗筋はというと、、、(以下、ネタばらしになるので読みたくない人は読まないように!)
民主党大統領予備選挙の立候補者マイク・モリス(ジョージ・クルーニー)の選挙スタッフ、スティーブ(ライアン・ゴスリング)が主人公。30歳で野心あふれる政治コンサルタントのスティーブは、選挙スタッフとしてナンバー2の立場にいた。しかし、敵対する立候補者の選挙キャンペーン・マネジャー(ポール・ジャマッティ)から引き抜きの誘いを受け、その話を一人で聞きに行ったことがきっかけとなって、自らの上司である選挙キャンペーン・マネジャー(フィリップ・シーモア・ホフマン)の不審を買ってしまう。
弁解の余地を与えられないまま、忠誠を破ったと決めつけられ、キャンペーン参謀としてクビを宣告されるが、それと並行して、スティーブは、立候補者マイク・モリスの重大な秘密を知ってしまっていた。それは、選挙キャンペーンにインターンとして参加していた若干20歳の女性がからんだスキャンダル・・・。
一旦選挙スタッフとしてクビになったスティーブだが、この秘密を利用して、自らのキャリアアップのために大芝居を打つ――
というお話。
これが予告編(英語版)。
戯曲『Farragut North』がベースの映画だけど、このFarragut Northというのは、ワシントンDCにある場所の名前で、ロビーストや政治コンサルタントたちのオフィスが密集する地区として有名。ホワイトハウスから目と鼻の先にある。映画の中にも、「Kストリートで政治コンサルタントになれば、年俸75万ドル(6千万円くらい)は堅いだろう」というセリフが出てくる。このKストリートというのも、Farragut Northを通る道の名前で、これもロビーストや政治コンサルタントの事務所が密集する地域の代名詞になってる。
こういう背景情報は映画の中では説明されないから、事前に知っておかないとわかんないよねー。日本でこの映画を見るとき、字幕で「Kストリート」とか「ファラガット・ノース」なんて出てきても一般の観客にはピンとこないでしょ。やっぱ翻訳で伝え切れる内容には限界があるよね。
それに、映画のタイトル『アイズ・オブ・マーチ』(原題:"The Ides of March")というのも、カタカナで書いちゃうと、「3月の目」?なんて誤解しそう。これは古代ローマ時代の暦で、「3月15日」を意味している。 Ides(アイズ)という単語は、ラテン語の"Idus"が語源で、特に暦上の月の半分を意味する。なので、3月、5月、7月、10月は15日を意味し、残りの月は13日を意味するそう。
近代の英語圏では、Ides of Marchはジュリアス・シーザーが暗殺された日として知られてる。なので、映画のタイトルとしてジョージ・クルーニーがIdes of Marchを選んだ理由は、(政治家が)裏切られた日、という意味を表したかったんだろうね。日本でも公開されると思うけど、邦題はどうするんだろうね。
で、映画としては、なかなか息をつかせないストーリー展開で楽しめた。やっぱライアン・ゴスリングがオトコマエやわ~って見とれてたからかもしんない・・・。彼の横顔がいいよね。以前よりまた大人っぽくなってるのが萌え~。
一つ難点はというと、話の展開の中で重要な20歳の女性インターンのキャラ設定に多少無理があったってことかな・・・。ようは、彼女との性的スキャンダルがストーリー展開の核になってくるんだけど、こんなカトリック教徒の家庭で育てられたいいところのお嬢様が、妊娠中にもかかわらず別の男と寝るか?っていう話よ。あー、我慢してたのにネタをばらしちゃったー。でも、マジで、一緒に見に行ったアメリカ人男とも意見が一致したんだけど、妊娠を悩んでるカトリックの女性が、あんな笑顔で別の男をひっかけるか?!っていうのがひっかかった。
でもそのわざとらしい設定にさえ目をつむれば、強い倫理観を持っていた野心溢れるスティーブが、徐々に荒んだ現実の政治ゲームに染まっていく、というディープで暗いストーリーは圧倒的。周りを固める役者たちも実力派ぞろいで見ごたえ十分。まー、アメリカも、政治はビジネスで中身が腐ってるっていうオチなので希望は見いだせないけどね。。。
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