2011年9月18日日曜日

モルモン教をテーマにしたブロードウェー・ショーThe Book of Mormonが大人気

これまで僕のブログにモルモン教(正確には、モルモン教のイケメン青年)について多々書いてきました。やっぱ、その理由は、モルモン教が同性愛を全否定したアメリカ生まれの宗教でありながら、布教活動にいそしむモルモン教の若者にイケメンが多く、しかも厳しい戒律を厳密に守る青年たちがこれまたコギレイで、イケメンに輪をかけてるから。モルモン教には全然興味ないけど、それを布教するイケメン青年には興味あり、なんて人が多いはず。

下の写真の彼らは(元)モルモン教徒でカレンダーの半裸モデルになった人たち。中にはこのことでモルモンの大学を退学になった人もいるとか・・・。








美しいモルモンの青年への密かな羨望、これは日本人だけじゃなくって、アメリカでもそうなんですねぇ。まー、アメリカで半裸カレンダーが出るくらいですから。アメリカ人ですら、モルモン教自体はキモイと思いながらも、あのコギレイな青年たちは美しい、と心のどこかで思ってたりする。こんなアメリカで陰ながら羨望の対象になってるモルモン教の青年については、ゲイであることをひた隠しにして苦しむモルモンの青年たちを描いた映画や舞台作品がいくつも作られてることからもわかる、というのはずーっと前にもここで紹介しました。あと、フィクションだけじゃなくって、現実にも、モルモン教徒で同性に興味があるというプレストンが、その同性への性的興味を「治療」するためにとある矯正プログラムに参加してるというABCニュースの報道もここで紹介してた。

そして今年になって大人気となってるブロードウェーのミュージカルが、これまたモルモン教の青年を主人公にしたThe Book of Mormonなんですねぇ。


トニー賞を9部門で受賞してたり、批評家が「今世紀最高傑作のミュージカル」と大絶賛してる。ストーリーの詳細(英語)はWikipediaに載ってるので、興味ある人はそれを参考にしてもらうとして、大まかなストーリーはというと、優秀で教会からも嘱望されたモルモン教の青年、Kevin Priceが、布教活動のトレーニングを終え、アフリカのウガンダに布教活動のために派遣されることになる。しかし、そこで目にするのは、内戦、貧困、エイズといった苦難にあえぐ人々。布教活動はうまくいかず、次第に信仰心に疑問を持ち始める、、、という感じ。

このミュージカルのストーリー、脚本、それとオリジナル・ソングは、あの風刺のきいた大人のアニメ、サウスパークの作者Matt StoneとTrey Parker(写真↓)と、Robert Lopezの3人が、個人でアイディアを温めてた期間を含めて合計7年越しで作ったそう。


これが彼ら3人へのインタビュー。サウスパークの作者の二人って、こんなにイケメンだったんだね・・・。でもノンケ~。

ミュージカルの中の代表的なナンバー、I Believe、そのトニー賞の授賞式でのパフォーマンスがこちら。自分の信仰心に疑問を持ち始め、苦しみながらも、「神を信じる(I believe)」のがモルモンの証であるという内容。この小ざっぱりしたモルモンの恰好といい、このいでたちでブロードウェー・ミュージカルって、やっぱ超ゲイやわー。モルモンって、やっぱゲイの琴線に触れるっすねぇ。

そしてこれが、内に秘めた同性愛の部分を、電気のスイッチのように「オフ」にするのだ!と自分を言い聞かせるシーンでのナンバーTurn It Offに関するインタビュー。このナンバーは、ウガンダでモルモンの地区長を務めるMcKinleyが、Princeら新しいモルモンの青年が到着したときに、「モルモンとして生活するうえで、否定的な感情が沸き起こってしまったときは、電気を消すように(心の)スイッチをオフにするのだ」と指導するシーンで演じられる。


地区長のMcKinley自身、同性愛という感情を抱きながらも、それが頭をもたげた時は、電気のスイッチを切るようにオフにするか、誰も気づかないような暗い光で灯している・・・と歌詞にある。McKinleyを演じた俳優、Rory O'Malley自身、カトリック教徒として育てられたゲイ。19歳までゲイとカミングアウトできずクローゼットな生活を送ってきたそうで、この劇のストーリーやキャラクター設定を考えていたとき、制作者の一人LopezがO'Malleyに出会って、「僕が考えていたモルモン教徒の姿にぴったりだ!」と感じて、彼をモチーフにした登場人物、McKinleyを作ったそう。

Turn It Offはここで聞けます(動画はなく音声だけ)。(残る全曲、このYouTubeサイトで聞ける。動画はないです。)

映画化がすでに検討されてるそうだけど、実際に映画化されるのは数年先だって。待てない~。今このミュージカルはまだニューヨークでしかやってないそうだけど、今後、全米ツアーとか予定されてるらしいので、ロサンゼルスに来たら絶対に見に行きたい。

あの、ゲイのセックス・コラムニストで、It Gets Betterキャンペーンを始めたダン・サービッジ(僕のこの過去ログでも紹介した人)も、このミュージカルを見て大絶賛。「完璧。非の打ちどころがない100年に一度のミュージカル」だって。しかも、単なるモルモン教批判ではなく、皮肉、笑い、セックス、そしてモルモンの思考回路(自分の都合が悪い気持ちについては、電気を消すようにオフにする)について、非常に洞察に満ちている、と。


ダン・サービッジは、このテレビ・インタビューで、このミュージカルから派生して、ゲイの人権、そしてそれに真っ向から反対する保守派政治家についてものすごい穿ったことを語ってる。

例えば、ゲイの人権について真っ向から否定する政治家、リック・サントーラムっていう人がいるのだけど、彼は、LGBTを「家族、社会、ひいてはアメリカを破壊する敵だ」って言ってんのね。だけど、ダンによると、サントーラムの上級スタッフメンバーの一人がゲイなんだと。

他のアンチ・ゲイのビル・マーシャルとダンがテレビに出演して話しをしたときも、互いの2歳の子供のことについて話が盛り上がって、そのとき、ダンが軽く相手の腕に触れるっていう行為をしたのに、この保守派は特に嫌悪するでもなく、まったくゲイに対してフレンドリーだったそう。こういう体験から、ダンは、アメリカで声高に反ゲイ政策を掲げる共和党の政治家たちは、お金目的、獲得投票数アップが目的で、ゲイを標的にしたキャンペーンをしてるだけで、心の底からゲイを社会悪とは思ってないと確信したそう。

そして、僕も何度も「アホや~」を連発してる、保守派の政治家や宗教関係者たちによる絶えないゲイ・スキャンダル。(最近では、絶えないアンチゲイの政治家や宗教関係者のゲイスキャンダル。有名どころ6人の言訳。改めてアホ!とか、インディアナ州選出の議員で、反ゲイ法案に熱心なPhil Hinkleが、18歳のゲイ・ハスラーに80ドル渡してホテルでナニしようとしたのが暴露。本人いわく、「なんでこんなことしたのかわからん」と。アホすぎ~。)

こうしたアホなスキャンダルについてもダンは鋭いこと言った。

ダンが反ゲイのカトリック教徒と議論になった時、「ゲイになるという選択肢をあなたは選ぶ必要はない」と言われたそう。これに対して、ダンは、「あなたはカトリックになるという選択肢を選んでいるけれど、僕はそれに対してあなたを差別はしない。なぜ同じことがあなたにできないのです?」と切り返した。このように、反ゲイの論客と議論をすると、とにかく「選んで」人はゲイになるという議論に陥るのだとか。だから、強い意志でゲイにならない選択をせよ、というわけ。これは僕のブログでも幾度となく書いてるけど、ゲイは意識的に選んでなるもんじゃない!科学的にもかなり先天的な要因が大きいことも分かってきてるのに。(だから性的嗜好じゃなく性的指向が正しい。)

ここでダンがこう言った:

「ゲイは選んでゲイになってるんじゃない。逆に、ストレート(ノンケ)男性のほうが、選んでストレートになってる人たちがいる」

これがまさに、ミュージカルThe Book of Mormonで出てくるミュージックナンバー、Turn It Offのメッセージと呼応するのだ。自分の意思で選んでストレートになった男性、つまり心の中には同性愛の感情があるバイもしくはゲイの男、そういう人たちが、電気を消すように心のスイッチを強制的にオフにして、「ストレート」の仮面生活を送っているのだ。ゲイと受け入れている人たちは、自分に素直に、選択してではなく、生まれたままの自分を受け入れているだけ。逆に、「ゲイは選んでなるもの」と言う人は、自分がバイかゲイだから、自分の意思で選んで「ストレート」になっている、と。

だから、スイッチをオフにして自己を矯正している「ストレート」男たちは、カミングアウトして、自分に素直に生きているゲイたちのことが羨ましいと同時に心底憎らしくなる。こういうカミングアウトしたゲイが増えると、せっかく自分の気持ちを押し殺して「ストレート」の人生を歩んでいる自分の価値観が揺さぶられてしまう。。。しかもそんな生活を何十年もしていれば尚更引きかえすのが難しい。そして、そうしてオープンにゲイとして生きている人たちが増えることは、自分の気持ちのスイッチをオフにすることが生きる方法だと教えられてきた自分の人生が否定されることでもあり、オープンにゲイと認めて生きている人たちから自分が見捨てられた気分になってしまう。だから、彼らはここまでしてゲイをバッシングし、ゲイの権利を奪い、ゲイはアメリカの家族と社会にとって有害で駆除されるべきものだと躍起になる。

保守派の共和党議員や宗教関係者たちが、こんなに反ゲイ運動に積極的なのに、彼らのゲイ・スキャンダルが多いのは、やっぱり彼らの心の中のスイッチが完全にオフにすることができないという証明になってると思う。ある意味、反ゲイ意識の強い人たちほど、自身の内面に同性愛の気持ちがあることを認めている人たちで、前世代の古い考え方や宗教の犠牲者なんだなぁ。

3 件のコメント:

  1. どうも~。毎度内容の濃いブログ書いてますね~。読み応えがある!

    スイッチをオフにしているゲイの人たちっていったいどれぐらいいるんでしょうね。一般に人類の5%?はゲイって言われているけど、僕は実際は10%以上なんじゃないの?って思うことがよくありますね。バイも合わせるともっと・・・。政治家の隠れゲイは質が悪いですね、TYさんの論理には納得。

    僕の彼氏は元モルモン教で(写真のような美青年ではなく、ただのオッサン!)、モルモン教の問題点、特にゲイとモルモン教という観点からブログを書いています。ゲイのモルモン(隠れモルモンも含む)の人がそのブログを読んでいるみたいで、彼、恋の相談役みたいになっています。ブログを超えた交流を求めて、彼の元に多くやって来る人も大勢(僕としては結構ウザイ・・・)。この前も、60歳、妻子持ちの隠れゲイが相談に来ていました。僕も立ち会ったんですけど、彼の私生活の内容を聞いているだけで、今周りにカミングアウトしていてよかった~って心底思いましたね。60歳で隠れゲイって、本当にキツイ・・・。

    Book Of MormonのCD聞いてますよ。いいですよね。僕もミュージカル絶対見に行きたい!彼はNYまで行くって言ってるけど、あれ当分の間チケット取れないのにって、思ってます。

    あぁいう、美青年モルモン信者をバスの中なんかで見かけると、”ね~、おまえら、ゲイの人たちについてどう思ってんの?差別が悪いことだと思わないの?”って本気で議論したい衝動に駆られるんですよね。神の教えだから、ってスッと切り返されそうですが・・・。

    長文失礼しました・・・。

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  2. お~、彼氏が元モルモン?!ディープだねぇ~。今回紹介したモルモン青年のカレンダー記事、あの中で大学を退学になった青年が、「あなたはまだ自分がモルモンだと思いますか?」って聞かれて、「宗教的にはモルモン教徒ではないけれど、文化的にはユダヤ人がそうであるように、敬虔な信者でなくても、自分は6代続いたモルモン教徒の家系でモルモン文化の中で育ったので今でもモルモン文化圏の人間だと思ってます」って言ってた。

    あれって、宗教を超えてるんだね。どんだけ奥深く精神に刷り込まれてるかってことだよね。だから元モルモン、とか言っても、考え方や生き方がモルモンの教えを引きずってる、というかそういう文化の人になっちゃってるよね。日本人が、アメリカに来ても日本人であるように。僕が付き合ったことある元モルモンも、「もう信仰はしてない」と言いながら、アルコール、カフェイン、一切口にしなかったし。

    彼氏って元モルモンのゲイ用にブログ書いてるの?読んでみたい~。ググったら出てくるかな?60代で隠れゲイ、僕に言わせればアホ~ってことなんだけど、生まれて刷り込まれた教義や文化的価値観によって心が呪縛されてる人たちにとっては、かけられた暗示から自分を解放するのがとっても難しく辛いことなんだろうね。ホント、そんな文化圏に育たんでよかったわー。

    モルモンの美しい青年とか、自分の心に疑いや迷いなどのシミは一点もありません!みたいな高潔なオーラが出てるじゃない?ああいうの見ると、ウソや~って思うよね。「善人村の祭り」みたいに、年中善人を装ってる村人が、年に一度、その村を訪れた旅人を生贄に祭りを開く、みたいな。。。あんなに作られた人工的な善人イメージって、メッキがはがれるみたいに内面の奥底には深い闇が潜んでるよ。日頃から僕みたいに(!)その闇を吐き出してる人のほうが、どんだけ善人なんだかって思う。

    そういやー、ちぇるまくさんもダン・サービッジと同じシアトル在住だったよね?

    ちょうど6日前のダン・サービッジのコラム記事のタイトルが、That's So Mormonだよ。彼のコラムの読者の一人が、こんなコメントをダンに送ってる:

    「 『レディー・ガガが好き?そりゃーゲイやわー』。いや、もっと言うと、『ビリー・ジョエルが好き?それゲイやわー』っていう感じ。それである日突然、目からうろこで気付いたことが、「それって高校時代に友達と僕が「それってゲイ~」ってバカにして言ってたことって、全て同級生のモルモン教の学生たちが好きだったことじゃん...。

    "You like Lady Gaga? That's gay." No, it's more like, "You like Billy Joel? That's gay." And then it suddenly hit me: the shit that my friends and I called "gay" was all the stuff that the Mormon kids at my high school liked..."
    http://slog.thestranger.com/slog/archives/2011/09/12/thats-so-mormon

    あのコギレイで少女趣味的なところが、モルモンとゲイが重なる理由なんやろうね。僕もこれから、That's so gayの代りに、That's so Mormonって言っちゃうかもww。

    あのブロードウェー・ショー、本当にチケットが手に入らなくってプラチナチケットらしいね。そういうの聞くとますます見たくなるよね。

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  3. そうだ、先月、モルモン教会が、サンフランシスコ地区のトップに、ゲイのビショップを選出というニュースが出てたけど、ちぇるまくさんの彼はこのニュースをどう思うんだろうね?

    Gay Mormon named to key local LDS leadership post in San Francisco

    http://www.sltrib.com/sltrib/news/52486958-78/mayne-gay-lds-ward.html.csp

    記事によると、たとえゲイであっても、行為に移さなければ(つまり彼氏を作らず、同性とも性交渉をしないのであれば)、モルモン教会はその人をゲイとは認定しない、っていうことみたい・・・。なんか、モルモン教会も、ゲイを徐々に受け入れざるを得なくなってるっていう感じがするよね。

    Turn It Offの歌詞の中にも、「たとえゲイ的感情があっても行動に移しさえしなければいいんじゃ?」っていうフレーズがあるよね。やっぱThe Book of Mormonって奥が深いね~。

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単身渡米してなんとか生き延びてる日本人。主にアメリカで起きてるゲイについてのニュースやハリウッド・セレブ、スポーツ選手たちのゴシップが中心のブログをメインブログで書いてます。恋バナや個人的なことはサブ・ブログで。

 Born and raised in Japan, I decided to immigrate to the U.S. to pursue a more liberated gay life. I am mostly writing about gay-related news and gossip about male celebrities, LGBT issues in general, and sometimes personal bromance. Most of my posts are in Japanese, but I sometimes introduce Japanese television programs and gay-related cultural stuff in English. Feel free to leave comments in my blog. ;)