2014年4月19日土曜日

ゲイのカップルがダウン症の子供を養子にしようと奮闘する映画『チョコレートドーナツ』

 日本では今日(4月19日)に劇場公開の映画『チョコレートドーナツ』。その感想を思い出しながらご紹介。

元々2012年に公開された映画なんだよね。僕もいつ見たんだったっけ?思い出せないくらい前。最近、ハリウッドの大作映画とかはほぼ同時期に公開されるようになったけど、こういうインディー系とかアート系の映画になると、日本ってホント公開が遅いよね、、、。

 この映画は、1970年代のウェストハリウッド(ロサンゼルスのゲイ・エリア)が舞台。

 僕のブログでも過去に紹介したゲイの俳優、アラン・カミングスが主人公ルーディーを演じる。

ルーディーは、ゲイ・バーの舞台でクチパクで「歌う」ドラッグ・クイーン。ルーディーがいつも通りパフォーマンスをしていた夜、客席に真面目そうなイケメン・ビジネスマンが客として現れる。彼の名前はポール。

ポールは検事局の敏腕弁護士。シアトル出身で一度女性と結婚していたが離婚。ゲイである自分に悩みながら、この夜、ついに勇気を出してゲイ・バーに足を踏み入れていた。そこで出会ったのが、ドラッグ・クイーンとして熱唱しているルーディ。二人は互いに一目惚れし、急速に接近する。

一方、ルーディーはいつかはホンモノの歌手として活動したいと思いながら、安い給料でドラッグ・クイーンのクチパクの仕事を続けていた。しかし家賃を滞納し、明日にでも追い出されそうな状況。

そんなある日、アパートの隣の部屋に住むシングル・マザーとその息子に事件が発生する。母親が違法薬物の使用で逮捕されてしまい、そのダウン症の息子マルコが、施設に送られそうになる。

突然、母性に目覚めたかのようにルディーはマルコを助けようと奔走する。お金も法的知識もないルーディーは、知り合ったばかりのポールに助けを求めようと彼のオフィスへ押し掛けるーーしかし、自分がゲイであることを隠しながら仕事をしているポールに冷たくあしらわれる。

でも、ルーディーに恋してるポールは、仕事が終わってから結局、助けにきてくれるのだ。


逮捕された母親から、出所するまでという条件付きで、マルコの養育権も与えられる。

3人は、疑似家族ながらも、幸せな家族を少しずつ築き上げているように見えたのだが、そこには大きな問題が待ち構えていた、、、

っていうお話。

実話に基づいてそうなストーリーだけど、いちおうフィクション。2010年にフロリダ州のキーウェストで起きた、ゲイ・カップルによる養子訴訟が似たケースとして報じられている。

これが実際のフロリダ州のゲイ・カップルと養子の息子二人の写真。イケメン・カップルだよねー。漂ってくる勝ち組感がハンパねぇ〜。


映画と同じく、パートナーの片方が弁護士なんだって。そしてこのカップルが、ゲイによる養子を禁止していたフロリダ州で、初めて養父になることを勝ち取ったケースになった。

* * *

 この映画も、確かに感動する映画ではあるのだけど、僕にはややひっかかるところが、、、あ、また辛口のコメントになっちゃう。

【辛口コメント1】アラン・カミングスがブサイクすぎwww。

ブサメン俳優の起用自体はいいんだけど、元ノンケでクローゼットだったイケメン弁護士が、いきなり年増のドラッグ・クイーンに恋するか?!その設定は無理ありまっせー。

現実世界のフロリダ州のカップルを見ても、やっぱ二人ともイケメンじゃん?イケメンはイケメンを好きになるのが世の通例。あまりにこの二人の役者がアンバランスすぎて、映画の前半はストーリーに入り込めんかったワ。

【辛口コメント2】アラン・カミングのスコットランド訛の英語が邪魔。

ルーディーはニューヨークのクイーンズ出身の役なのね。スコットランド人のアラン・カミングスも、最初のほうはアメリカ英語をしゃべろうとしてたんだけど、途中からどうでもよくなってきたのか、すっかりアメリカ英語じゃなくなってんの。違和感アリアリ。

【辛口コメント3】ストーリー展開が雑。

アパートの隣に住むダウン症の男の子を不憫に思うっていうとこまでは理解できるんだけど、そこの心境に到達するまでの丁寧な心理描写がなされてないから、唐突すぎてついていけねー。なので前半部分はしらけちゃう。

後半になったら、法廷論争とかのシーンは白熱して見られる。そこがこの映画のクライマックスだったかも。特にポールの演技が光ってた。

【辛口コメント4】ポールがありえないキャラ設定

イケメン弁護士のポールって、ドラッグ・クイーンのルーディーにメロメロになるのね。その愛し方がもう理想的すぎてありえないわけ。この映画の登場人物の中で、一番現実にはありえないキャラ設定やったわー。ドラッグ・クイーン視点で理想の男を描ききったって感じ?

【辛口コメント5】ポールの上司が意地悪すぎ

これは映画を見てもらえば分かるけど、ここまでいじめるか?っていうくらいしつこい嫌がらせをしてくる上司がありえない。しかも、自分とは関係ない法廷にまでノコノコやってきて、"got you"のジェスチャーをするシーンとか。

【辛口コメント6】アラン・カミングスが歌姫の役には無理ある

やたらとアランが歌うシーンが多かったのね。そんなに彼って歌うまくないと思うんだけど、歌姫の役なんだよねー。なんかくどかったなぁ。

彼って、クリスティーナ・アギュレラが主演したキャバレーの映画『バーレスク』に出てたんだよね。ああいうイメージで自分が歌姫になりたい願望があったんじゃない?なんかエゴって感じがしたわー。

しかも、映画の原題"Any Day Now"の元になっているボブ・ディランの曲"I Shall Be Released"を、ルーディーが映画のエンディングで熱唱するんだけど、それが変なアレンジだし、歌唱力もイマイチ、、、。(I Shall Be Releasedの歌詞の一部に、Any Day Nowという部分がある。)

これがそのボブ・ディランの曲。



そしてこれがアラン・カミングスが歌うI Shall Be Released。



まー、色々と突っ込みどころはあるんだけど、この映画が言わんとしてることはよくわかった。明らかに養育能力があるにもかかわらず、しかも、子供からも慕われているのに、ゲイというだけで養育権を与えられないのは理不尽で不合理ということ。

でもそれが1970年代の現実で、しかもフロリダ州では2010年にようやく改善されたことだったんだね。いまでも州によっては、ゲイによる養子縁組を法律で禁止しているところがあるからね。

最後にもう一つダメだし、、、

邦題が『チョコレートドーナツ』なんだよね。英語の原題が『Any Day Now』。やっぱ英語の原題のほうが詩的でインテリな感じするんだよね。

これはストーリーと深く関わってることなんだけど、「いつか問題なく暮らせる日が来る」っていう意味が、歌詞の中の『Any Day Now』 には込められてる。それを差し置いて、マルコが好きだったチョコレートドーナツを映画のタイトルにすると、薄っぺらい感じがするなー。

ま、チョコレートドーナツがマルコの幸せな生活の比喩として使われていたのは間違いないんだけど、「困難を乗り越えていつかまた一緒に暮らせるよ」っていう親の愛情が詰まったメッセージに比べると弱いっすね。

こう読み返すと、僕がアラン・カミングスのことが個人的にあんまり好きじゃないってことがバレバレね(汗)。

これが映画の予告編。ここまで散々ダメだししちゃったけど、それでもまだ見たい人っている?!



4 件のコメント:

  1. もう、みなくてよいです(笑)

    返信削除
    返信
    1. スマン〜。

      ゲイにとって大切なテーマだし、色んな人に見て欲しい映画なんだけどね。

      あまりに言いたい放題書き散らかしてしまったって反省。\(_ _ ;)

      削除
  2. とんでもない。先々チャンスがありましたらみてみたいと思います。
    ご挨拶おくれました、はじめまして。映画絡みでこのブログに辿り着き、メインブロク、サブブログともすっかりファンになってしまい拝見させていただいてます。率直でユーモアのある文章力が私を惹きつけます。今後もよろしく。

    返信削除
    返信
    1. あらら、サブブログも読んで下さってるとは。(*p゚ω゚q*)

      削除

*このサイトで取り上げた内容を記事として転載・流用される場合は、本サイトのURLを情報元として併記していただけると幸いです。m(_ _)m If you would like to republish or mention the content found here, please include my website as a reference and/or source. Thanks!