2011年5月25日水曜日

ガンジーの7つの社会的罪

日本の原発の状況はまだまだ収束に向かってないね。僕が気分が滅入ってしまうのは、単に放射能漏れが止まらず事態が改善しないという現場の状況だけじゃなくって、東電や政府の対応の悪さが日に日に露呈、っつーか、3月11日から後手後手だったんだけど、その反省が全然なされてないってこと。学校の校庭の放射能汚染基準を法律で定められてる年間1ミリシーベルトから年間20ミリシーベルトに上げたことや、東京都新宿区での放射能測定が、実は地面から18メートルも上空のビル屋上で測定され地上では2~5倍の放射能だったなど、もう政府も官僚も東電も主要マスコミも信じられない。(っつーか、3月11日から信じてないけどさ。)
(「『政府発表値に対し注意を促す』ようなことを目指したものではありません」とあるけど、文部科学省のモニタリングが怪しいので、『放射線・原子力教育関係者有志による全国環境放射線モニタリング』というのがあります。)


アメリカに住んでて、一つ改善してる(?)ことは、アメリカ人やアメリカのメディアの注意・関心がアメリカ南部の竜巻の被害やIMFのディレクターの性的暴行スキャンダル、オサマビンラディン暗殺、アイスランドの噴火、来年に控えた大統領選挙など日々起きる大事件に移って行ってるんで、アメリカで福島原発を報道することがほとんどなくなってるってことかな・・・。でも、ニューヨークタイムズ紙では、校庭の上限を1ミリから20ミリに政府が上げ、それに反対した小佐古敏荘・東京大学大学院教授が痛切に批判して辞任したっていうのはニュースになってた。

今週は、反原発論者の小出裕章・京大助教授が参院行政監視委員会に参考人として呼ばれてた。そのときのビデオがここでアップされてます。

小出先生については、すでに3月11日の震災直後からネット上では「あの人の言ってたことは正しかった」っていうのでフリーのジャーナリストがインタビューしたりして取り上げられてた。2008年にも『なぜ警告を続けるのか~京大原子炉実験所・”異端”の研究者たち~』という番組で取り上げられてる。この番組でも、はっきりと、「反原発の原子力研究者は干され、教授にもなれず、研究費も十分にもらえず冷や飯食い」ということが伝えられてる。

そんな小出先生が、今週の参院行政監視委員会で述べた最後の言葉が心に沁みたので紹介。

「ガンジーが七つの社会的罪ということを言い、それが墓の碑文として残っている。

理念なき政治。
労働なき富。
良心なき快楽。
人格なき知識。
道徳なき商業。
人間性なき科学。
献身なき崇拝。

それぞれ噛み締めてほしいと思う」

さすがガンジー。いいこと言ってるなぁって思った。

最近、今年のドキュメンタリー部門アカデミー賞を受賞したInside Jobを見たのだけど、あれはまさにアメリカのウォール街の投資銀行で働く人たちが「労働なき富」をバブルで作り出してた。これまでの日本の政治、原発をとりまく政策はまさに「理念なき政治」。人々の健康・生命を冒してまで推進されてきた原発ビジネス、そして今まさに地元の人たちの健康を二の次にした遅々とした対応は、東電や各電力会社による「道徳なき商業」。電力会社の言われるままに事実を伝えてこなかったマスメディアも、「道徳なき商業」。原発の危険性を過小評価してお墨付きを与えてきた研究者は、「人間性なき科学」を具現化してる。

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