2004年9月27日月曜日

旅のご報告、その前に、、、 Before travel report...

スペイン・ポルトガル旅行の話をしたいところなんだけど、2週間の体験をそう簡単にまとめられるものでもなく、自分の中で消化しきれていないということもあり、少し熟成期間が必要かもしれません。確か、作家の沢木耕太郎氏も、かの大作『深夜特急』を執筆するのに、旅から帰ってすぐではなく、何年か後にまとめたそうです。


あえて帰国直後の感想を言うと、乗り継ぎの関係からロンドンにも立ち寄って1泊したのだけど、ロンドンよりスペイン、ポルトガルのほうが断然、刺激的でした。英語かつアングロサクソンの国ということで、アメリカの祖先にあたるUKよりも、ラテン文化でロマンス言語、しかも歴史的にイスラムが長い間支配したため、民族的にも特徴的なスペイン・ポルトガルはとても新鮮でした。この二カ国ともカトリックの国で、保守的なんだけど、首都マドリッドとリスボンは、少なくともゲイが沢山いてリベラルでした。特にマドリッドには驚愕。ニューヨーク以上にゲイでワイルド。ゲイ文化には国境を越えて普遍性があるけど、それにラテン文化が混ざって、一層過激になって開花してました。これは、また考えをまとめながら、小出しにご報告していきます。

ヨーロッパ旅行の話はこの辺にして、実は今日、別の緊急ニュースが。Chrisと再会してしまいました。再会の場はチャットルーム。2週間の長旅から帰ってきてインターネットに飢えていた僕は、今週末チャットやウェッブサーフィンを楽しんでました。そうしたらChrisが、僕と知らずに声をかけてきたのです。僕はすぐにChrisと気づいたけど、向こうは一向に分からない様子。僕のなかで意地悪心が頭をもたげてきて、そのまま暫く会話を続けて知らないふり。そして互いの名前を言う段になって種明かし。

Chrisが驚いたのは言うまでもないけど、僕を驚かせたのが、Chrisの記憶――「あぁ、あの晩は楽しかったよね。なのになんでお互いに連絡を取らなくなったんだろうね」と臆することなく淡々と言ってのけた。これには僕も絶句。チャットだったので、こっちの絶句した表情は相手に伝わらなかったのがさいわい。一瞬の立ちくらみからどうにか立ち直って、ポーカーフェースを装いながら、僕も「何でだろうね。ま、都会のゲイの間ではよくあることだから」と白々しく答えておいた。

それにしても、Chrisの記憶の悪さには驚いた。Chrisと始めて会ったのは2年前のことだけど、あの日の体験がトラウマになって今でも引きずっている僕に引き換え、Chrisのほうは、僕の名前も顔もあの夜の出来事も彼の記憶の引き出しの奥底に追いやられて、この2年間、今日僕とチャットするまで、それが彼の意識に上ることは一度もなかった。なんであの出会いがうまくいかなかったのか、何度も何度も考えて、忘れることなんてとてもできなかった僕自身が、とても情けなく思えて悲しくなった。でも、よく考えてみると、その場しのぎに言った自分の言葉どおり、「都会のゲイの間ではよくあること」なのかもしれない。傷ついた体験、嫌な思い出、みんな色々な形で体験しているだろうけど、それをこんな風に2年たっても忘れられないでいるほうがオメデタイのかもしれない。Chrisみたいにさっさと忘れてしまうほうが、普通なのかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

*このサイトで取り上げた内容を記事として転載・流用される場合は、本サイトのURLを情報元として併記していただけると幸いです。m(_ _)m If you would like to republish or mention the content found here, please include my website as a reference and/or source. Thanks!