2004年8月31日火曜日

美意識 Gay Aestheticism

文化の差って思ったほど大きくない。特に、日本とアメリカなんてイスラム社会とか未開の地に比べると、その壁は低いほう。両方とも資本主義の近代化された文明国という意味では、食文化とかいろんな文化差はあれ、慣れるのにそれほど苦労はしない。で、すっかりアメリカ生活に慣れきっている僕だけど、いまだに理解できないのが僕のボーイフレンドになったこれまでのアメリカ人の美意識。なんか、これを言って自分の容姿を自分で否定している気がするのだけど、ホントにこればかりは意見があわない。


例えば、テレビを見ていて、カッコいい人が出てくると、僕の場合、「彼、イケテルよね」って同意を求めるんだけど、だいたいカレシの方は、”Yeah, I can see what you see, but he’s not my type.(あー、なぜ好きかって言うのは分かるけど、僕のタイプじゃない)”ってな具合であっけらかんとしたもの。で、逆に、日本人のオリンピック選手とか出て、そんなにかっこよくもない普通の人に対して、”He’s so cute.(彼、とってもカワイイ)”っていう感じで、すれ違い度100%。

アメリカでのゲイの主流派っていうのは、マッチョで、モデルみたいな顔立ちの白人になる。こっちでも、「何系」という表現の仕方で、自分のことをラベル付けするのだけど、そのいくつかが、「A&F系」、「Jock系」、「Straight-acting系」、「Military系」、「College Boy/Boi系」など。A&Fは、多分日本にもあると思うけど、Abercrombie & Fitchという、ゲイに大人気のアパレル店。そのモデルのようなビューティフルなタイプ、というかそうなりたくてA&Fのファッションを着込んでいるような人をA&F系と彼らは呼んでいる。Jock系っていうのは、日本で言うところの体育会系?かなぁ。イメージとしては、高校とか大学でアメフトとかレスリングをやっていて、ノンケっぽく見える学内の人気者っていう感じ。(残りは、読んで字のごとく、そのままの意味。)

こういうカッコいいイメージを体現すべく、アメリカの多くのゲイは日夜ジムに通い、ファッションセンスを磨き、魅力的になる努力をしているのであります。特に、その度合いが強い、、、というか過度なのが、ファッション、ショービズ、そしてゲイの都、ニューヨーク。中でも、ゲイ・エリアの中心地、Chelseaと呼ばれる地域では、そういう見た目追求派のゲイの宝庫なのでございます。そういうゲイを批判して、”I’m not Chelsea Type(僕はチェルシー・タイプじゃない)”と言うニューヨーカー・ゲイも増えているのも事実。で、こういう主流派ゲイは、同じような見た目の人をカレシに選ぶことが多くて、街中で双子(ファッションセンス、髪型、体型などが似ている)カップルをよく見かけます。僕が雑貨店で支払いを済ませようと、レジに並んでいると、前に超カッコいい白人ゲイのカップルがいました。その後ろには、黒人のお母さんと手をつないでいる男の子。その男の子は、お母さんに対して、”Mommy, are they twins?(ママ、あの人たち双子?)”って質問して、それは確実の、その張本人のゲイカップルの耳にも入っていたのでした(僕の耳にも聞こえたくらいの高い子供の声だったし)。

一方、アジア人と白人のカップルっていうのはあんまりそういう「双子型」にはお目にかからないんだよね。まー、だからこそ、こうやってあぶれることなくたまに素敵な人とめぐり合えるんだけどねぇ。人の美意識って、どういう風に育成されるのか(それとも遺伝子レベルから決まっているのか)そのメカニズムを解明できたらノーベル賞ものだろうね。

そうそう、今思い出したのだけど、去年くらいの映画で『Shallow Hall』というのがあった。主人公の三枚目の男が、美人ばかり追っかけていたけど全然相手にされない。で、催眠術師が彼に術をかけて、心の美しい人だけ、美しく見えるようになる、、、という話。僕にもその術をかけて欲しいなぁ、と映画を見たとき思ったのでした・・・。(そうです。僕は面食いです。)

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