2004年8月13日金曜日

47年目の真実

まさにこの数時間前、ニュージャージー州のマクグリービ州知事が、自分がゲイであること、そして2006年の任期切れを待たずにこの11月に辞任することを報道陣に発表した。インタビューの中で、夫、そして父親という身でありながら、別の男性と同意の下、大人の関係を持ったことを、誤り、愚か、そして言い訳のきかない行為であると告白、謝罪した。


マクグリービ氏は、2度結婚しており、カナダ人の前妻との間に女児が一児、そして現在の細君との間にも2001年に女児を一人もうけている。しかし、学校に通うような年齢の頃から自分のSexualityについて葛藤を繰り返ししつづけ、「伝統的な家族」に受け入れられるために必死の努力をしてきたという。自分にとっての「現実」、青年期のそして大人となった自分が取るべき行動として、社会一般に受け入れられる、と自分が考えていたイメージを、かたくなに自分に強要してきた。しかし、47歳となった今、「鏡を深く見つめるときだ」と語っている。

ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、そしてgay.comの報道記事には、アメリカが、いまだにゲイやレズビアンにとって住みにくいことを意味している、とコメントする人権擁護団体が紹介されている。また、マクグリービ氏の勇気をたたえるコメントや、いかにゲイにとって、自分のSexualityを偽って生きていくことが悲劇かということを指摘するコメントも掲載されている。

ニューヨークタイムズの記事

ワシントンポストの記事

gay.comの記事


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マクグリービ氏は、カトリックの家庭に生まれている。キリスト教、というとだれも一緒と思うかもしれないが、キリスト教には大きくプロテスタントとカトリックに分けられ、カトリックは非常に敬虔で、保守的なことで知られている。(アメリカにはプロテスタントが多いが、カトリック教徒もかなりの数がいる。)バチカンは、そのカトリックの総本山である。その司教は、いまだに同性愛は悪だとあちこちで公演している。もうかなりの年で、手を一つ動かすのも心もとない老体なのに、引退はしないと言い張っているらしく、死ぬまで同性愛について人の間に誤解を植え付け続けるつもりらしい。これ以上の老害があるだろうか。同性愛を否定するのは簡単だけど、その原因を微塵も考えず、同性愛を安直に悪の行為とレッテル貼りすることで、不必要に苦しみ、ある人の人生を悲劇にしてしまうことを、想像したことがないのだろう。
しかし、皮肉なことに、そのカソリックの神父(プロテスタントでは牧師と呼ばれる)にはゲイが多い。数年前あたりから、アメリカでは、神父が少年に対して性的いたずらをしたということがスキャンダルになっている。それも、一人や二人ではなく、かなりの数の神父がそうした罪に問われている。

皮肉ではないけど、やるせないのが、マクグリービ氏が関係を持ったという相手は、マクグリービ氏のボディーガードをしていた人物とか。(ちょっとゲイの想像を掻き立てるセッティング。しかも、マクグリービ氏はかなりのオトコマエ。)でも、この人物、現在、マクグリービ氏に対して性的辱めを受けたとして、賠償金を求めて訴えているのだとか。もうこれ以上の悲劇ってある?っていう感じ。やっぱり自分を欺き、他人を騙して生きていくといいことありません、っていう見本のような事件。

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