サウスパークの作者Matt StoneとTrey Parker
これまでの印象で知ってたことは、元々アメリカで放送し始めたけど人気が出ず、オーストラリアで放送したら人気に火がついて、逆輸入される形でアメリカに戻ってきたっていう程度。何度かテレビで見たけど、とにかく歯に衣着せない風刺アニメで、日本で言うと『笑うセールスマン』に近いかも。社会問題とか、差別、ゲイの人権問題とかをテーマに、普段まともな人なら口にできないような低俗な放送禁止用語の連続で言いたい放題。血みどろの暴力シーンなんかもあったりして、いかにも、10代~30代のホラー好きなノンケ(ストレート)のアメリカ人男が好きそう。
「South Park Gay」の単語で調べてみたら、こんなエピソード"South Park is Gay"が出てきた。作者の二人がコメントを付けてるビデオクリップ。(本編を観たい人いは、South Parkのオフィシャルサイトで無料で見られる。たぶんアメリカ国内からだけかなぁ。)
この「ゲイ」のエピソードを作った理由として、制作者の二人は、当時、ゲイを全面に出したQueer Eye for the Straight Guyみたいなリアリティー番組が人気を博していて、Gay is new black(ゲイは新しい黒人)という風潮が高まってたことを指摘したかったのだとか。Black is now cool and so is gay, i.e., metrosexual (黒人はかっこよくって、ゲイも今ではメトロセクシャルという称号を得てクール)、という社会的変化を風刺したかったと。
やっぱさ、所詮、サウスパークの視点って、ノンケ/ストレートの白人男の思考なんだよねー。今まで社会で権力や地位を独占してきた白人ノンケ男が、黒人がcoolな存在として台頭してきたり、これまでサブカルチャーの世界に隠れていたゲイがオシャレな人気者として社会のメインストリームに出てきたことで、自分の地位が脅かされるという危機感を、誇張された皮肉という形でサウスパークで表現してる・・・。それと同じ感情を共有するノンケの白人男たち「そうそう!」って頷きながら楽しんで観てる、っていう構図・・・。
ただ、ゲイが人権を求めて社会に普通に受け入れられるようになることについて、向こう側(つまりノンケ男たち)の視点からすると、「今まで持っていた特権を奪われる」っていう感覚なんだなぁって思った。ゲイにしてみると、「これまで不平等だったから、平等の権利を求めてるだけ」、なんだけど、ノンケの人たちはそうは感じない、失うものがあると考えてる、っていうのは発見だなぁ。
やっぱ、アメリカ社会で虐げられてた黒人やその他有色人種、性的マイノリティーたちがいる(た)から、ノンケの白人男たちは、社会階層ピラミッドの頂点に立ってるっていう優越感を感じてきてたんだよ。それが徐々に覆され、人種、性的マイノリティーの平等権が認められるようになるにつれて、自分たちがピラミッドの頂点にいた地位が脅かされる、っていうのが、このサウスパークの作者たちのコメンタリーを聞いてて見え隠れする。
ちなみに、このSouth Park is Gayを観終わった後、次のお勧めエピソードに、Cartman Gets an Anal Probe(カートマンが肛門検査を受ける)っていうエピソードが出てきた・・・ワナワナ。(; ̄Д ̄) やっぱ、サウスパーク(ノンケ男)って、どこかでゲイに興味があるんやろーなー。
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