2011年3月27日日曜日

情報リテラシーと日本人の一体感

地震・津波から2週間が経過して、まだまだ原発については収束どころか日々状況が変化するし長期化しそうな様子。死者数も1万人を超え、不明者も1万7000人以上。亡くなられた方には本当にご冥福をお祈りするし、被災されて避難所生活を余儀なくされてる人にもさぞ大変な生活だと本当に痛み入ります。


被災地の支援・復興は大切。だけど原発の今後について、やっぱり家族や自分に直接かかわってくることだけに一番心配というのも本音。なので、ここ2週間ちょいの報道で僕が没頭・むさぼるように収集してきたのは、やっぱり原発関連のものがほとんど。原子炉の設計者の話や諸国の専門家(にわか専門家じゃなくてちゃんと原子炉や放射性物質の専門家・機関)の発信する情報を追いかけています(情報ソースはここにまとめています)。状況が刻々と変わるので、常に新しい情報をウォッチするのが重要なのは言うまでもないけど、これまでの経過からして、炉心の冷却は長期化しそうということ、それと環境への放射性物質の漏えい・蓄積が懸念事項で、リアルタイムの情報が必要になってくる、ということだと思う。

なので、意外と海外主要メディアの震災報道や原発報道についてはあんまりまじめに見てなかったなぁと思う。そう感じた理由は、3月22日付けで海外英語メディアの混沌をまとめた「日本の真の色が光るように 外国メディアも混乱しまくった大惨事のその先で」を読んで。gooニュース編集者の加藤祐子さんが英語メディアのここ2週間の混乱状況をよくまとめてる。「へぇ~、そうだったんだぁ」と思いながらこの記事を読ませてもらったよ。

でもね、加藤さんというニュースを伝える側の人から見た海外メディアに対する「驚き」もわかるけど、ちょっとナイーブだなとも思ったよ。だってね、やっぱりジャーナリズムの中でテレビって紙媒体(今は電子媒体か?)よりレベル落ちるでしょう。テレビで見聞きするニュースって、僕は鵜呑みして聞かないし。それが危ういセンセーショナルなものであればなおさら。アメリカが9・11の後、フセイン打倒の気運を国民の間で高めるためにマスメディアがどれだけ加担して過剰報道したかっていうのを自分の目で見てきたからね。「アメリカ人アホや~」って思った・・・。その後の「大量破壊兵器はなかった」っていうのも、「やっぱりね」って。

テレビって口頭で伝えるものだから、情報源を脚注表示したり推敲して事実を正確に伝えようと苦心して書かれた記事に比べて限界がある。もちろん、百聞は一見にしかず、でおそいかかる津波は雄弁な記事にもまさる事実を放送したけど。。。テレビは視聴率もあるから、よりセンセーショナルに伝えようとするインセンティブが働くしね。利害関係でマスメディアも意図的な報道するし。その点は新聞も似てるから気を付けないといけないけどさ。しょせん、どのニュースもバイアスがかかってるってことだから、僕が(自分にも言い聞かせながら)口を酸っぱくして言ってるように、情報はなるべく信頼できる情報源から、そして幅広い立場の人・機関から集めて、自分で判断して取捨選択する判断が必要なんだよねぇ。ただ、やっぱりそういう情報リテラシーが不十分な人が多いなと思ったのも、今回の原発報道に反応するツイッターやブログを読んで感じたこと。テレビやニュースで報道されたことを、そのまま鵜呑みにしちゃうっていう人や、鵜呑みにしないまでも、強い影響を受けて不安に感じちゃう人とか。先週、カリフォルニアですらヨウ素剤が薬局から売り切れたっていうニュースにも「こいつらアホや~」って思いながら見てたよ。それと、2週間たった現在ですら、日本政府や東電も全ての正しいデータ・状況を把握しているわけではない、ということ。この状況で「絶対」は存在しない。

一方、僕は今日本にいないから、日本でこの現状を目の当たりにして生活してる人たちの気持ちにも疎くなってるなぁって思った。作家の村上龍とか東浩紀がニューヨークタイムズに寄稿してたんだね。海外に住んでる日本人は、メディア・知人・家族から状況を見聞きすることはできるけど、その場にいないと抱かない感情(不安・希望)は体験してないんだよなぁって。だけど、こういう寄稿を読むと、その一旦を疑似体験できるなと思った。海外にいるがために、これからの復興に向けた日本人の一体感に乗り遅れることのないようにしないとね。(日本の全体感(一体感)を鼓舞する意見については、この記事にもまとめられています。)

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