2007年5月25日金曜日
傑作ゲイドラマ『ライン・オブ・ビューティー』がオススメ The Line of Beauty
久々に傑出したゲイ・ドラマをご紹介。BBCで2006年に放送された、The Line of Beautyというドラマ(1時間×3話)。最近、こちらではDVDが発売開始になった。原作はアラン・ホリングハーストの同名の作品。2004年にブッカー賞を受賞した傑作(らしい)。(日本語による説明をされているブログを発見。こちら。)
ジェームスによると、作家がイギリス人ということもあり(?)かなり高尚な表現や語彙が多くて読みにくい文章なのだとか。特にネーティブでない僕なんかは楽しめる代物じゃなさそう・・・。ボブは読んだって言ってた。
で、この作者(白人イギリス人)は有色人種が好みらしくて、絶対、彼の作品には白人と黒人のシーンが出てくるとか。The Line of Beautyにも、まさに予言どおりにそういうシーンが初っ端に出てきた。動画でも湯気が出るほど生々しいシーンだったけど、原作はもっとスゴイらしい。なんかわかる気がする・・・。映像より、想像を掻き立てる言葉による描写のほうが生々しいっていうの。
遅ればせながら、ストーリーをご紹介。主人公はNickという中産階級出身の好青年(写真中央)。彼とオックスフォード大学で同級生だったTobby(写真左側)は、父親が保守派の政治家で金持ちという家庭で、大学卒業後、Nickはこの家庭に居候することになった。しかも驚いたことに、Nickは自分がゲイというのを公言していて、意外なことに、その保守派の父親ですら気にすることなくNickを受け入れ、信頼関係を築いていく。特に、Tobbyの妹は、精神不安定で、反抗的、かつ自殺願望の強いキャラクターなんだけど、彼女とは大親友になる。そういう娘といい関係になるNickを、彼女の母親も信頼を寄せ、家族同然のような関係に。
一方、80年代のロンドンにあって、ゲイ文化は花開いていた。Nickは色々な男性と関係を持つが、そんな一人が、ビジネスで財を成したレバノン系移民の息子Wani(写真右側)。だけど彼はクローゼット状態で、婚約者がいる存在。しかも、Waniは押し殺した自分のセクシャリティーのためか、見境なく他人と関係を持つ。そして彼らを襲うエイズという脅威。そして幸せで完結した生活にも亀裂が・・・。
登場人物がそれぞれ確立され、まるで実在する人物のように完成されているのは、さすがブッカー賞を受賞した作品だけある。B級(もしかしてC級?)が多いゲイ・ドラマにあって、これは稀有な作品といえるでしょう。80年代、ゲイ、政治、エイズ、っていうキーワードが、アメリカの作品、Angels of Americaと重なっているなと思いました。
これは、もともとブロードウェーの脚本としてトニー・クシュナー(ゲイのユダヤ系アメリカ人)が書いた作品が元になっていて、2003年にテレビドラマ化された。(モルモン教徒で、自分のセクシャリティーに悩む青年役の役者がハンサム。)この作品も超オススメ。
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