2011年11月30日水曜日

映画"J. Edgar"を観た感想 Just Saw The Movie "J. Edgar"

現在のFBIを作り上げたJ.エドガー・フーバーについての映画、"J. Edgar"をついに観てきた~。この映画については、以下の2つの投稿で色々と書いてました:

映画"J. Edgar"でディカプリオがゲイのFBI長官役を熱演 Leonardo DiCaprio plays a gay role in "J. Edgar"

映画"J. Edgar": 「フーバー元FBI長官がゲイだったという証拠はない」とFBIが釘 FBI Told Clint Eastwood There's No Proof Hoover Was Gay


感想はというと、予想通り、というか、予想を超えてたかも。ネタばらしになるので、映画をまだ観てない人や映画の詳細を知りたくない人はご注意くださいね。

まず、『映画"J. Edgar": 「フーバー元FBI長官がゲイだったという証拠はない」とFBIが釘』っていうことだったけど、ふたを開けてみると、かーなーりー、ゲイな映画に仕上がってる。FBIによる釘刺しのせいで、監督のクリント・イーストウッドが、フーバーとその恋人クライドとのキスシーンを撮影したのに映画には使わない、っていう噂が流れてたけど、ちゃんと出てきました。。。しかも、ゲイのカウボーイの愛を描いた『ブロークバック・マウンテン』の影響を受けたような演出。男同士の愛は、暴力的なほど熱くて、好きなあまり殴り合いになっちゃうんだよね。血だらけになってるところで、キス、っていうのはゲイ映画では常套手段になりつつあるよね。

二人が手を握り合うシーンも何度も登場するし、フーバーが(恋人の)クライドを誘って新設されたFBIの前身を共に作っていこうと言ったときも、クライドは条件として、

「どんなに意見が食い違って口論するようなことがあっても、必ず僕らは昼食と夕食を毎日一緒に取るということを約束して」

なんて乙女なことを言ってるシーンもある。クリント・イーストウッドは、一応FBIからの「フーバーがゲイという証拠は全くない」っていう注意を聞きはしたけど、映画に反映するつもりは全くなかったのね・・・。

フーバーは、女装趣味があったという噂もあるのだけど、それについても匂わすシーンがある。マザコンだったフーバーが母親を失ったとき、失意のあまり、母親の(形見の)ネックレスやドレスを着て鏡の前に立つというシーンがある。これもどっかで見たことあるシーンやわ~って思ったら、ゲイ映画のThe Mudge Boy(この投稿で感想を書いてた)にも同じシーンが出てきた。


The Mudge Boyは同級生の男の子に恋しちゃうゲイのひ弱な少年が主人公。彼は幼いころ母親を亡くしていて、それ以来、母親が大切にしていた白いニワトリを肌身離さず抱える生活。そんな彼も、母親が恋しいあまり、彼女の服を着ているところを父親に見つかり、それに衝撃を受けた父親が母親の服を全て焼き払う、っていうシーンがある。

フーバーの母親役を、イギリス人女優のジュディー・デンチが演じてるのだけど、彼女のキャラが強烈やったわ~。フーバーが、母親に、「俺はダンスが大っ嫌いなんだ。特に女性とダンスするなんて嫌でたまらない」と吐露するシーンがある。暗に、「俺はゲイで女性とは結婚できない」、ということを暗示してるのだけど、そこで、女っぽい近所の男の子が自殺した過去に話が及んで、フーバーの母親は、

「女装するような息子を持つくらいなら、死体になった息子のほうがまし」

と言い放つ。それを聞いて凍りつくフーバーが印象的。やっぱ、強権的な母親って、息子をゲイ化する強い要因になってるのかねぇ。

JFKが暗殺されたことも映画に出てくる。リンドバーグの息子が誘拐されて殺害されるという実際の事件も重要なプロット。マーティン・ルーサー・キングも出てくる。当時のアメリカの事件が色々出てきて、その頃のアメリカの社会史に興味ある人は、そうした歴史上の出来事という「点」が「線」でつながる感じで楽しめると思う。そう思うと、FBIを作ったフーバーっていうのは、アメリカの裏の歴史に君臨してた人なんやなぁ~って実感できる。そんな人が隠れゲイやったっていうのもおもろいよね。

ゲイなんて全く認められない時代だったから、フーバーとクライドは隠れカップルの状態だったけど、晩年は一緒に生活してたみたいだし、何十年も一緒に連れ添って職場も一緒でどこへいくにも同伴だなんて、幸せな人生だったんじゃない?二人のお墓が隣同士というのも、映画の最後に字幕で説明書きが出てくる。

さて、来年のアカデミー賞で、レオ様はアカデミー賞主演男優賞が取れるのか?!

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