先週、NY州で同性結婚を認める法案が可決されて、それが施行されるのが1か月後の7月24日。今日ツイートしたけど、7月30日には1日だけ、即席の無料結婚式サービスがセントラルパークに開設されて、希望すればだれでもそこで挙式できちゃうんだと。いわゆる、ラスベガスのドライブスルー感覚の即席結婚式。
同性同士の結婚って、日本にいた頃なんて全然想像できなかったけど、アメリカ来てだんだんこっちの風習(?)に慣れてきたせいか違和感なくなってる自分がいる。GLBTコミュニティーの中にも、ゲイはヘテロセクシャル・カップルのような結婚には向いてないっていう人もいるし、伝統的な結婚にこだわる必要ない(ストレート・カップルの真似してるだけでゲイには不向き)っていう意見もある。だけど、国の制度や風習が何百年っていう単位でヘテロの結婚を中心に作られてきたわけで、それと同等の家族を持つ権利なくして、GLBTの平等な権利が認められてることにはならないと思う。(1対1の結婚に向いてない人は、ノンケにもゲイにもいる。それが全てのゲイが1対1の結婚には向いてないということじゃないし。)
夫婦・夫夫・婦婦で一緒に納税(アメリカでは職業に関係なく全個人で毎年所得税の還付申請・納税をしないといけない)するとお得とか(不利という場合もあるらしい)、社会保障税(年金)を払ってきた夫/妻が先に他界した場合、配偶者がその後も年金の一部を受け取れるなど、やっぱり結婚しておくことのメリットは大きい。そして外国人のパートナーがいる場合、移民法で同性結婚が認められることも同性結婚の大きなメリット。これについては、あいにくアメリカではまだまだ進んでないと今日のニューヨークタイムズ紙で報道されてた。2000年から毎年、アメリカの連邦議会に同性結婚法案が提出されてるらしいんだけど、この議題に関心を示す議員数が少なすぎて進んでないのだとか。あと、クリントン元大統領が署名して施行されたDOMA(Defense of Marriage Act)という連邦法が存在することも同性結婚の障害。ある州で同性結婚が合法化されても、他の州でそれを認めなくてよいという国全体を司る連邦法が存在する(この詳しい法解釈についてはこのNYタイムズ記事に。)
アメリカがここまで同性結婚に反対の理由の一つが、アメリカ(多分ヨーロッパも同じ)で、marriage(結婚)に含まれる宗教的な意味合いが強すぎること。一応、日本でも神前結婚って言うように結婚式はだいたいキリスト教か神道に則って行われるけど、ほとんどの人たちは一時的なセレモニー感覚だと思う。だけど保守的なアメリカ人は、「結婚」は神の前で誓いを立てる神聖なもの、ってガチガチに頭に刷り込まれちゃってるから、それに同性愛を認めるっていうことが相いれないものになっちゃってて、だから同性結婚には断然反対っていう意見になってる。
キリスト教圏の人たちが「結婚」に込められた強い宗教色を感じてる一つの例として、フランスではPACS(pacte civil de solidarité)っていう、結婚とは違うドメスティック・パートナーシップ制度が同性カップルにも異性カップルにも認められてる。従来の結婚が合法なヘテロカップルの間で、結婚の代わりに敢えてPACSを選択する人たちが増えてるんだそうな(このNYタイムズ紙記事による)。その理由が、「結婚」に込められた宗教じみた重い意味合いに違和感があるからだそう。
日本で考えると、「結婚」が重いから「ドメスティックパートナーシップ制度」を利用しようって思うストレートのカップルが多くいるとは思えないじゃない?「結婚と同じことなんやったら結婚でええんちゃうん?」って多くのヘテロ日本人は思うんじゃないかな?同性カップル用に用意されたドメスティックパートナー制度を敢えて利用しようと思うストレートカップルがいるとは考えにくい。それはやっぱり「結婚」に込められた宗教的意味合いが日本人の意識の中では低いから。だってキリスト教でもないのに教会でタキシードやウェディングドレス着て式を挙げるような国民ですから・・・。日本人にとって、結婚って、宗教というより家族の問題だよね。家と家の結婚、ってよく言うように。。。
話を戻すと、なので、賢いリベラルなアメリカ人なんかは、「同性結婚だけど、結婚っていう言葉にこだわらなくていいじゃん?結婚と同じ法律上の権利が得られればいいわけだから、civil unionとかdomestic partnershipっていう名前にしといて、内容はヘテロの結婚と同等の権利にしとけばいいじゃん」という議論もある。だけど、「やっぱり言葉が違うと平等権じゃない!そこに差別が生まれる!」っていう意見もある。
本来論を言うと、アメリカは建前上、政教分離なわけだから政府の法律で言う結婚には宗教的意味合いは含まれるべきじゃーないよね。なので、やっぱり、同性結婚も、結婚(marriage)という用語で法律上規定されるべきなんだよね、保守派の意見はどうであれ。もうこの言葉の意義をどうとるか、宗教的意味合いを込めるかどうかなんて、個人の信条・信仰の問題じゃない?とりあえず政府は無宗教でニュートラルな結婚(marriage)を同性・異性カップルに同等に認める、でいいと思うんだよねぇ。ただ、移民法で同性結婚を早く認めさせるためには、保守派を丸め込むために初期段階としてcivil unionとかdomestic partnershipで外堀から埋めていくという戦略もありだとは思うけど・・・。
anyway、長くなっちゃったけど、同性結婚って男女カップルと違って役割分担が明確に分かれてないからいろいろ新しく作っていかないといけないよね。例えば、どっちがプロポーズするのかとか!よくさ、男性が片足を跪いてウェディングリング差し出してプロポーズするじゃん。あれって、ゲイカップルだとどうなるんだろう?タチ役がウケ役にプロポーズ?たまにタチ・ウケ逆転するカップルだったらどうする?(これ笑うところね。)あと、ウェディングドレス着た新婦が、長いカーペットを父親に連れられて新郎が待つところに歩くっていう、あの一番のクライマックスも、男同士だとどうするわけ?二人で歩いちゃうとか?あ、それぞれ母親と一緒に歩くっていうのいいかもね。母親想いが多いゲイならでは。
嗚呼、こんなに想像だけは膨らむけど、1か月後のセントラルパークでの無料結婚式サービスにはどんなにあがいても間に合いそうにないっす・・・。だれか結婚して!
0 件のコメント:
コメントを投稿