2011年8月25日木曜日

大学でのLGBTの活動を支援する非営為組織CampusPride, Non-profit for a safer college environment for LGBT students

LGBTの人権向上活動が活発なアメリカ。その努力は徐々に実って、今年は米軍にゲイが従軍することを禁止した法律、Don't Ask, Don't Tellが廃止されることになったし、この夏ニューヨーク州で同性婚が合法化されたり、目に見えて成果が表れてきている。


こういうLGBTの活動は大学にも浸透していて、よっぽどカトリックの大学とかモルモン教の大学でないかぎり、どの大学にもゲイの学生向けグループが存在してる。そういう大学別のLGBTグループを全米規模で支援する非営利組織、Campus Prideという団体も存在してる。この団体の情報はこちら。2002年に設立されたらしいのだけど、そのミッション・ステートメントでは次のように謳っている:

Campus Prideは、LGBTとその仲間である学生リーダーや大学内組織を、リーダーシップ養成、支援プログラム、より安全でLGBTに優しい大学の創出という分野において、サービス提供するために存在している。将来のLGBTとその仲間となる学生リーダーを育成することに関して「声と行動」を醸成して支援するために存在している。

日本にはこんな全国的な非営利組織はないでしょー。そもそも、各大学にLGBT向け学生組織があるかっていうこと自体が疑問。どうなの?

ただ、単純に日米を比較して、「だからアメリカが進んでて、日本が遅れてる」って決断を下すのは早計だとも思う。僕も日本に住んでる頃は、「アメリカってゲイの人たちがどんどんカミングアウトして、ゲイにとって住みやすい社会環境が揃ってそう」って、「隣の芝は青い」っていう感覚で見てた。だけど、アメリカでここまでLGBTの人権活動が盛んっていう理由の一つに、それだけLGBTに対するバッシングや差別も(地域によっては)ひどいからということがあると思う。戦わないとやられる、っていう危機感がアメリカのLGBTコミュニティーにはある。

それに対して、日本だと、宗教と神の名の元にゲイを殺害する事件なんて聞いたことない。ゲイであることを理由にしたいじめや自殺も、きっとどこかで起きてはいるだろうけど、アメリカほどじゃないと思う(正確な統計情報がないので印象論でしかないけど)。でも、ホントに、アメリカではゲイに対する学校内でのいじめ、殺害事件が多い。僕のブログでも事件が起きるたびに報告してきたけど、有名どころでは、マシュー・シェパード君かなぁ。カリフォルニアでも最近起きてるし。

振り幅が大きいのがアメリカの特徴と言えるかもね。良くも悪くも両極端。それに比べて日本は、よく言われるように波風立てないのをよしとする文化だから、LGBTへの攻撃も少ないし、そのぶん自律的な人権活動も少ないんじゃないかと。よく、国民意識を高めるには、仮想敵国を作ること、なんて言われるけど、それと同じ論理。日本では敵対勢力がアメリカほどはっきりしてないから、LGBTコミュニティーに求心力が生まれにくいし立ち上がる動機が低いんだと思う。どっちの社会のほうがゲイにとって幸せですか?って、究極の選択かもね。あなたならどちらの社会のほうが自分に合ってると思う?

7 件のコメント:

  1. なるほどー興味深いポストですね。両極端…確かに。僕も渡米前、確かに「アメリカは自由・寛容」ってイメージが強くてLGBTでも自由きままに生きられる社会、みたいに思っていましたが…実際、日本と比にならないほどいたるところでゲイカップルをみかけますが、その一方でいじめ・自殺等が起きているのも事実ですよね。"it gets better"ってメッセージを一時期色んな人が伝えている時もありましたね。僕の場合は断然アメリカ社会の方が住み易いのかな。って言うのは、僕の生活の領域、つまりダンス界はかなりゲイに寛容ってのが大きな理由。と言う自分も、実はバイで男にも興味あって、Mって男にゾッコンですってことはカムアウトしていませんが、それでもゲイのダンサー皆生き生きしているし、それを悪く言う人なんてまず居ないし、寧ろ彼らはそれを普通の人にはない才能ってなくらいに考えていますからね。ゲイ自身もその地位を確立しているし、周囲も一目置いているってのがダンス界の現状であり、そう言う意味で僕もなんとなく居心地いいです。ほんと、相当ゲイ多いですから(笑しかも、結構ストレートに見えるイケメンの先生でも「え?あなたも?」みたいなことは多々ありますから。

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  2. ぼくの大学にはありませんが、近隣の大学にはゲイサークルと呼ばれるものがあります。だけど、表向きにはゲイサークルだとは分からないようになっていて、ビラ等にも「ノンケ以外募集」と書かれているそうです。きっと、活動内容は「出会い」だけでしょうね(笑

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  3. hectorさん、そうそう、"It gets better"なんてキャンペーンもあったよね。ああいう芸能人も参加してLGBTの学生に「負けるな、いつかよくなる」ってメッセージを送ることが社会現象になるほど、学校内の現状はひどいってことなんだよねぇ。南部では、いじめがひどくて、LGBTの学生用の高校まで作ったところがあるとか。ま、大人になってゲイが多いロサンゼルスみたいな都市部に住むと、ホント、ゲイにとっては住みやすくなるけどねぇ。それにしても、その「え?あなたも?」っていうダンスの先生を拝んでみたい~。

    penさん、その「表向きにはゲイサークルだとは分からないようになっていて」っていうのが、二丁目とかのバーのドアにある「会員制」を連想しちゃったよ。笑える。出会いが主目的になってるゲイ・サークルっていうのも、日本がゲイにとって安全であるから、とも言えるしね。ほんと、一概にどっちが良い悪いって言えないね。

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  4. あの「会員制」の意味、実は、ごく最近まで知りませんでした。何で「会員制」って書いてあるのに、会員でもない自分が普通に入れるんだろうって。真実は、日本のゲイ事情に詳しいアメリカ人に教えてもらいました。ははは。

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  5. >戦わないとやられる
    これ、すごく納得。同時に、面白い表現だなと思って、笑っちゃった。

    僕が行っていた大学(in 東京)にはゲイの団体あったよ。参加してなかったけど、インターカレッジな雰囲気だったよ。

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  6. あ、もちこさんだ。またご改名?もっちりだなんて、なにかを連想させるなぁ~。

    「会員制」の意味をアメリカ人に最近学んだなんて、もっちりさんも若くして日本を出て浦島太郎状態だねぇ。あれって、僕らが入店した時点で「会員」になってるってことだもんねぇ。なんか一度入ったら戻れない、っていう感じ。退会の手続きがないしー。なんか笑えるね。最近、日本では隠語で「組合員」って言うらしいよ。だからバーの標識も、これからは「組合制」っていうのがいいかも?

    東京の大学でゲイの団体があったんだぁ。確かに一校内だけだと人数少ないし、複数校集まってやるのがいいよね。そういう意味ではアメリカでも複数の大学のLGBTグループが合同でよく集まるよね。

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  7. 今彼が僕をそう呼ぶんだけど、ちょっと気に入ったので、使っている次第。命名の由来は…、まぁ体型だろうけど…。ははは。

    男が変わるたびに名前も変わるかもしれないけど、「もち」がどこかに付いてたら僕ってことで。

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