2014年1月27日月曜日

新作ゲイ・ドラマ『ルッキング』を見てみた HBO's New Gay Drama "Looking" - New "Queer As Folk" or Gay "Sex and the City?"

話題のゲイ・ドラマ『Looking』が先週からスタート〜。早速、2話分を見てみた。

ここでも紹介した予告編を見た感じでは、ゲイ版の『セックス・アンド・ザ・シティ』?舞台がニューヨークからサンフランシスコに移って、女友達4人がゲイ友3人になってるだけで、結局は、アラサーとアラフォーの独身友達の友情、恋愛、人生についての独白的な物語という印象だった。

主人公は、(ここでも紹介した、俳優ザッカリー・クィントと恋人関係の)ジョナサン・グロッフが、ゲーム開発者のパトリック役(29歳)を演じてる。下の写真の右側ね。ジョナサンって痩せたよね?彼もGleeに出てたんだよね。

写真の左側は、第1話の中で、Muni(電車)の中で知り合ったメキシコ系男性。第2話で、二人はデートする。(あらやだ、ザカリー・クィントもラティーノだし、実生活でもジョナサンはラティーノ好きじゃん!)


下の写真の左側が、パトリック(中央)とルームメートだった、売れないアーティストのオグスティン(Agustin、31歳)。第2話で、彼はオークランド(サンフランシスコ市から橋を渡った内陸側の郊外)に引っ越しちゃう。そして右側がウェイターのドム(Dom、40間近というから39歳?)。


2話分までみた率直な感想はというと、イマイチやったわー。期待してた分、ガッカリ感が大きくなっちゃったかも。

『Looking』の脚本家、Michael Lannanは、HBOで大人気だったテレビ・シリーズ、「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」や「セックス・アンド・ザ・シティー」のディレクターAllen Coulterのアシスタントだったんだって。

そんなMichael Lannanが、LA、サンフランシスコ、そしてニューヨークに住んでた頃、知り合ったゲイの友達について書き留めていたメモを元に『Looking』のストーリーを考案したとか。

そして、ゲイのインディー映画『Weekend』(2011年)で有名になったAndrew Haighが、ライター兼ディレクターとして『Looking』を共同で作ってるんだと。

そういやー、映画『Weekend』見たわ。こちらがその予告編。


イギリスのゲイバーで知り合った二人が、週末を過ごすっていう映画なのね。一方はその週末を最後に、アメリカ留学に旅立ってしまうから、出会いと別れが一度に押し寄せてくる悲しい物語。だけど、特にクライマックスがあるわけでもなく、静かに日常が過ぎて行くっていう感じの芸術的な映画。まさに『Looking』もそんな感じのドラマ。ゲイの(退屈な)日常と孤独をテーマにしてるのかー。

 ★ ★ ★ 

話がそれちゃったけど、『Looking』にガッカリした別の理由は、 人口の大半がアジア人で、アジア人ゲイも沢山住むサンフランシスコなのに、ほぼ白人とラティーノしか登場しないってこと!第1話で主人公パトリックのゲイ友の一人に日系人が出てくるけど、ワンシーンだけのちょい役。サンフランシスコ、しかもカストロ地区ってそんなにラティーノいたっけ?って僕は思うんだけどね。

アメリカの白人ゲイの間で、一番広く受入れられてる(非白人の)エスニック・グループがラティーノなんだよね。確かに、全米の中で、今ラティーノが最大のマイノリティーだしね。

それに、白人ばっかのドラマを作っちゃうと、「人種差別的」って思われるから、主役3人の一人にラティーノ(オグスティン)を配置して、そして主人公パトリックのデート相手にメキシコ系っていう、いかにも人気取りに出た感じがイヤラシい。このご時世にあって、しかもサンフランシスコを舞台にしてるのに、アジア人をかたくなに入れないっつーのにムカつき。

パリが舞台の映画「アメリ」で、パリにつきものの黒人やアラブ人と犬のフンが全く出てこなかったっていうのと一緒ね。所詮、白人が作った白人視点のドラマだから、主流の白人が見たくないものは目に(画面に)映らないってわけか。。。

パトリック役のジョナサン・グロッフが、インタビューで、「(ゲイ)全員を代弁するのは不可能」って吐露してるんだけど、それも批判される前に言い訳って感じ。

 ★ ★ ★

今晩放送された第2話で、メキシコ人と初デートがあるって言うパトリックに、オグスティンが、「外国生まれのラティーノはuncut(割礼してない皮カムリ) だから全く別物よ!」って忠告するシーンも、またかって感じ。ラティーノは、皮カムリでデカいっていうのがアメリカ人ゲイの間の一般的なイメージなんだよね。けど、いまさら、このセリフ必要っすか?もう聞き飽きたわ〜。

それに『セックス・アンド・ザ・シティ』みたいに笑えるかというと、ぜーんぜん笑えんし。コメディーじゃないんだよねー。そういや、10年以上前に大人気になったゲイのドラマ「クウィア・アズ・フォーク(Queer as Folk)」もコメディーではないか。一応、アメリカでは、「Looking」が、「クウィア・アズ・フォーク(Queer as Folk)」以来のゲイ・ドラマと言われてる。(レズビアンドラマの『Lワード』とかはあったけどね。)

グラインダーを使って近所の人とやっちゃうシーンとか、デート相手を探すのにOkCupidっていうアプリを使うのは、「今」っていう感じがするけど、なんかそれ以外、目新しいものがない。しかも、主役の ジョナサン・グロッフの演技っちゅーか、役所がイマイチ。主役3人の中で一番、親近感を覚えるのはドムだろうなー。ヒゲ・パパのアラフォーっていう役で、演技もうまいし、役も深みがある。

ワシントン・ポスト紙LAタイムズ紙にも批評が掲載されてるんだけど、それを読むと、21世紀のゲイ・ドラマとして、カミングアウト物語はもう古いし、エイズ問題は80年代や90年代的。かといってドラッグにまみれてディスコから病院へ直行っていうお話も古い。それに同性結婚も合法化されて、政治的にLGBTが戦うべき話題が減ってきたっていう時代背景を『Looking』は反映しようとしてる。

そんな現代アメリカ社会の都市部に住む、カミングアウトしたゲイ男性たちの生活って言うと、結局は『孤独』っていうテーマに行き着くみたいね。確かに、登場人物の3人とも、どこか孤独やわ。

新しいドラマだから、キャラクターの紹介とか、伏線を忍び込ませるので第1話、第2話が費やされた感じ。30分番組だからあっという間に過ぎちゃうんだよね。まだ自己紹介だけで、ストーリーは始まってない感じ。だけど第1シーズンは全8話らしいので、あと6話(3時間)でどこまでストーリーが面白く発展するか、疑問が残るところ、、、。視聴率低下で打ち切りにならなければ良いけど。

21世紀にアメリカの都市部に住むアラサー、アラフォー・ゲイの幸せってどこにあるの?っていうテーマに、一つの回答を出して欲しいなー。

第1シーズンの各エピソード(各エピソードのタイトルが『Looking』で始まってんのね):

第1話 Looking for Now(今やりたい)
第2話 Looking for Uncut(皮カムリ求む)
第3話 Looking at Your Browser History(ブラウザーの閲覧履歴をチェック)
第4話 Looking for $220/Hour(時給220ドル求む)
第5話 Looking for the Future(未来を探して)
第6話 Looking in the Mirror(鏡を見つめて)
第7話 Looking for a Plus-One(プラス・ワンを探して)
第8話  未定(1月26日時点)

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